「親の土地」に建てる ①

見学会などで、土地に関するご質問をたくさんいただきます。

その中でも


「親の土地に家を建てたいんだけど...」
というご相談をよく耳にします。

中には、親御さんと直接
「敷地の空いているところに建てればいいんじゃない?」
「生前贈与は高いって聞くから、貸したことにするから。」
という話を進めている、という方もいらっしゃいます。


では、この話
鵜呑みにして良いのでしょうか?良くないのでしょうか?


家を建てるのは、ほとんどの方にとって一生に一度のことで、
そして、一生のうちで一番高い買い物になるでしょう。


そんな人生の一大事に、
人から聞いた話だけで行動することは危険です。


不確かなことは、確かなことに。
「もし」や「だろう」は、一つ一つ解決していかないと
新築一戸建てにはたどりつけません。


それでは、上記の二つの言葉のどこに
不確かな要素があるのか...
一つずつチェックしていきましょう。


○住宅ローンを借りる時は、親の土地も担保になってしまう!


親の土地に家を建てる場合でも、
新築する建物だけでなく、
その土地も担保に入れることになります。


「住宅ローンの借入は、建物にしか使わないのに...」
と思われるかもしれませんが、
「万一」の時にはマイホームを売って返済することを考えていただければ、
なぜ土地も担保になるのかわかっていただけることと思います。


上物の価値はすぐ下がりますが、土地の価値は下がりにくいからです。
「親の土地」に家を建てようが
土地も含めて丸ごと担保に入れるのが原則です。


そこで、対策のひとつとして「分筆」が考えられます。


土地は「筆」ごとに登記されているため、
担保に入れるのは筆ごととなります。


そのため...
1つの筆の土地に親の家があって
余裕のあるスペースに家を建てる


といったケースは要注意です。


親の家まで担保に入ってしまうことを避けるため、
土地の筆を分けて(分筆)、
必要なところだけを担保に入れるようにしましょう。


※ただし、分筆には費用がかかります。


親の土地を担保に入れる場合...


金融機関によって、物上保証人か連帯保証人か、
親の立場の扱いが異なります。


物上保証人であれば、債務を負担したわけではないので、
万一の時に担保にいれた土地を失うことはあっても、
それ以上の責任を問われることはありません。

(物上保証は有限責任)


連帯保証人となると、住宅ローンの返済が滞った場合に、
返済の義務まで負うことになります。
(連帯保証は無限責任)


いずれにせよ、どちらの立場になるかしっかりと確認し、
親御さんの理解を得ることが必要不可欠です。

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